monsirouのガイア戦記

地球上の全ての生き物が暮らしやすい世界の実現を目指しています。環境問題を中心とした生活情報、購入した商品のレビュー記事など、日頃感じていることを独断で綴ったブログです。
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
最近、「カーボンオフセット」することをうたった商品やサービスが増えてきている。
カーボンオフセットの付いた商品やサービスを消費者が購入・利用すると、温室効果ガス(自分の調べた限り、ほとんどが二酸化炭素 CO2)を一定量オフセット(相殺)することができるというものだ。
中には、オフセット料金を上乗せしていることを明示している商品や、オフセットそのものを直接現金購入できるものまである。

今回自分がこの記事を書くきっかけになった商品が「カーボンオフセット年賀」だ。
これは通常の年賀はがきに5円のオフセット料金(日本郵便では、これを寄付金と称している)が上乗せされて、55円で販売されているもので、この5円に日本郵便が同等額のマッチング寄附金を加え、つまりはがき1枚につき10円が排出権購入にあてられる。
この寄付金が地球温暖化防止を推進するプロジェクト(森林再生や自然エネルギーを用いた発電所の建設等)に用いられることによって、はがきを買った消費者は地球環境に貢献できるという仕組みだ。

と、ここまでの説明ではなかなか良い商品のように感じる。5円の上乗せがやや気になるものの、そのお金は地球温暖化防止のために使われるのだから決して無駄ではない。
では地球環境を守るために行動すると決めた自分は、通常の年賀はがきよりもカーボンオフセット年賀を選ぶべきなのだろうか?
年賀はがきに限らず、カーボンオフセット付き商品を積極的に買うべきなのか。
カーボンオフセット付き商品が売れれば売れるほど、本当に地球環境が良くなるのか。
・・・何か違和感がある。
そもそも「カーボンオフセット」はそんなに地球環境に良い手段だったっけ?
というわけで、真剣に検討してみた。

まずは「カーボンオフセット」について知らなければ始まらない。

カーボン・オフセットとは、日常生活や経済活動において避けることができないCO2等の温室効果ガスの排出について、まずできるだけ排出量が減るよう削減努力を行い、どうしても排出される温室効果ガスについて、排出量に見合った温室効果ガスの削減活動に投資すること等により、排出される温室効果ガスを埋め合わせるという考え方です。
環境省>地球環境・国際環境協力>カーボン・オフセット (外部リンク)より抜粋

カーボンオフセットとは、人間の経済活動や生活などを通して「ある場所」で排出された二酸化炭素などの温室効果ガスを、植林・森林保護・クリーンエネルギー事業などによって「他の場所」で直接的、間接的に吸収しようとする考え方や活動の総称である。
発生してしまった二酸化炭素の量を何らかの方法で相殺し、二酸化炭素の排出を実質ゼロに近づけようという発想がこれら活動の根底には存在する。
一般にカーボンオフセットをする流れは前後を含め以下のようになる。すなわち、
1.特定の活動(省エネルギー活動など)によって、排出される二酸化炭素の量を削減する努力をする
2.その上で、やむを得ず排出される二酸化炭素の量を算出する
3.その算出された二酸化炭素の量をオフセット(相殺)するために、植林・森林保護・クリーンエネルギー事業を実施する。
カーボンオフセット - Wikipedia (外部リンク)より抜粋

以上から、カーボンオフセットでは二酸化炭素はいったん地球上に排出されるのだけれど、オフセット(相殺)することで排出した量をゼロとみなしているわけである。
このやり方では、地球上の二酸化炭素の総量は削減されない。新たに出している分を打ち消しているだけなのだから当然である。
もっとも、二酸化炭素がまったく削減されていないわけでもない。
商品やサービスを提供する企業は、カーボンオフセットをする際に、まずはじめにできるだけ二酸化炭素の排出量が減るよう削減努力を行っているはずだからである。
削減されているのは二酸化炭素の総量ではなく、新たに排出される量の一部なのだ。
同じ商品を提供するのに、製造段階で少しでも排出量が減っているのならば、その商品は他の商品に比べて地球環境に配慮された商品だといえるだろう。

次に、カーボンオフセットの量が多いとはどういうことなのか。
京都議定書で各国に設定された温室効果ガスの削減目標の未達分を埋め合わせるため、温室効果ガスは証券化され「クレジット」として取引されるようになったのが、排出権取引だ。
これは排出枠が余った国や企業と、排出枠を超えて排出してしまった国や企業との間で取引する制度である。
排出権を購入することとは、排出枠が余った国や企業が排出するかもしれなかった二酸化炭素の量を購入しているのである。
実際には排出されていない二酸化炭素の量をいくら購入したところで、地球環境にはあまり意味をなさないのではないかと思う。

「カーボンオフセット」、なんとも巧妙なキーワードである。
「カーボンオフ」までで、誰もが二酸化炭素削減をイメージすると思う。その最初のイメージが強力で、後に続く「セット」には関心が向かないのだ。
また、二酸化炭素相殺などと日本語化したら、本来の打ち消しの意味が表に出てしまって今ほど良いイメージは持たれないはずだ。
こんな良いイメージを持った言葉を、ビジネスの世界が放って置くはずがない。
企業にとっては、自社の商品をなるべく多く消費者に買ってもらいたい。
今の消費者は環境意識が高い。
ならば商品を売るためには、自社の商品がいかに地球環境に配慮しているかをアピールすればよい。
その手法の一つが「カーボンオフセット付き商品」なのである。
カーボンオフセット付き商品は、自分の消費行動を通して社会に貢献したいと思っている消費者に対する、わかりやすい広告戦略なのだ。
「この商品を買うことで、○kgの二酸化炭素をオフセットできます」といった表示を見た消費者は、
この商品を買うことで、二酸化炭素が削減され、地球温暖化防止に貢献している と連想する可能性が高いし、
商品を発売している企業自体にも、地球温暖化防止に積極的に取り組んでいる企業である といった、良いイメージを持ってくれるかもしれない。
オフセットするための費用は、自社負担する場合は広告費であるし、上乗せされている分なら消費者が負担してくれるのだからゼロで済む。
そしてその広告費用が、最終的には「寄付金」として植林・森林保護・クリーンエネルギー事業などに寄付されるのだ。
企業にとってみれば、実にオイシイ広告販売戦略ではないか。

地球温暖化を防止するためには、二酸化炭素の排出量そのものを減らさなければならない。
そうするために消費者がとれる一番効果的な手段は、できるだけ商品を買わないことである。
どんな商品も製造段階で二酸化炭素を排出してしまうのだから、そもそも作られる量を減らせばよい。
次に、製造段階でなるべく二酸化炭素を排出していない商品を選んで買うことだ。
地球温暖化防止に積極的に取り組んでいる企業であれば、商品に表示するのはカーボンオフセットされる二酸化炭素の量などではなく、その商品が製造される段階で同等の商品に比べてどのくらい二酸化炭素の排出が減っているのかどうか なのである。

結論:
消費者が商品を購入する際に見るべきなのは、その商品やサービスが製造・提供される段階で、できるだけ二酸化炭素の排出量を減らすべく努力されたものであるかどうか であって、カーボンオフセット付きなのかどうかはあまり関係がない。

では「カーボンオフセット年賀」を例に、環境に配慮された商品とはどうあるべきなのかを述べてみたい。

次回に続く
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://monsirou.blog111.fc2.com/tb.php/1321-901b7493
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。